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zoom RSS 無名騎士藩国戦記R 第47話

<<   作成日時 : 2007/01/30 00:19   >>

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連載小説「無名騎士藩国戦記R」
※当作品は1023〜38年に掲載された「無名騎士藩国戦記」をリメイクしたものです。一部内容・設定等はアレンジされています。ご了承ください。

(前回までのあらすじ)
 撤退戦は、根元種族艦隊の先遣分隊との徒競走となっていた。
最後に残されたW5リンクゲートへ、どちらが先に到着するか。それで勝負は決する。
 無名藩国艦隊は、足の遅い輸送艦3隻と同道していた。無名騎士藩国の民を乗せた、最後の避難船団。その最後の一団であった。
藩国艦隊も、今や旧型巡航艦クラスが1と駆逐艦クラスが3を残すのみ。艦載のRBも数少ない。もっとも全戦力が現存していたとしても、根元種族の先遣隊とですら勝負にはならない。逃げの一手だった。
 時空震の影響によってW5リンクゲート周辺は回廊化していた。その為、単なる足勝負となってはいない。藩国艦隊は無差別にゲートシフトしてくる根元種族艦隊を凌ぎつつ、地の利を生かした最短ルートでW5リンクゲートを目指していた。



第47話「黒い影、再び」



 赤の煌めきと、一条の光。
藩国艦隊の後方に、根元種族艦隊がゲートアウトする。中型艦1と小型艦3。快速艦による追撃部隊であった。
小型の機動兵器群を上下に射出しつつ、4隻の艦が横一文字に陣形を広げる。先端部が開き、電磁投射砲のレールが展開する。

 光球。
根元種族の白い船体が、煌めく。
光球は、射出したばかりの機動兵器のものだった。動力部を貫かれ、爆発四散する。
 宇宙空間で音はしない。
鈍い音とともに中型艦の船体が中央から折れ曲がり、轟沈する。
続いて小型艦3隻も次々と同様に沈んでいく。射出された残りの機動兵器群も、母艦の撃沈に一瞬戸惑った内に、下方からの火線によって撃破されていく。
 それらの光の下方で、四機のRBが旋回していく。
「真神機、標的A撃破成功」
『山前機、標的B撃破成功』
『キギ機、標的C撃破成功』
『鷹院機、標的D撃破成功』
高加速で旋回中の星詠号のコクピットに、各機から報告が入る。コバイロット席のGENZはそれを聞きながら、素早く整然とコンソールを叩く。
「次くるわよ。ゲートシフト反応4、誤差4。割り当て送る」
電子音。
そして、星詠号と編隊を組んでいた三機の流星号が散開していく。
 「こっちもいくぞ」
真神はメインパイロット席で、操縦桿を操作する。星詠号の軌道が下方へ逸れていく。その先に、ゲートシフト。
中型艦3、小型艦5。その艦首は既に星詠号の方へ向いている。
『先読みされたか』
GENZの隣で、黒猫が興味なさ気に呟く。
「未来予知者は向こうにもいますからね」
無言で真神は、星詠号を再加速させる。



 根元種族艦隊の数は増す一方だった。
道程は半分を越えた。しかし、敵艦隊のゲートシフトも正確になりつつある。新たに後方に出現した4集団に対して、RBを1機ずつ貼り付ける。無論撃破が目的ではない。敵艦隊の進行遅延が目的だ。
 無論、敵も藩国艦隊の足止めを狙って機動兵器を出撃させる。艦の足止めは出来ても、RB1機では小型機までは手が回らない。
 時空震で揺らぎがちなレーダーを必死に操りながら、玲夢が報告を上げる。
「敵機動兵器きます。数12」
「輸送艦を前に、艦隊は半円陣で敵機動兵器を足止めする」
藩国旗艦の艦長席に座る雨霧が命令を出す。すぐさま艦隊は後方へと下がり、輸送艦を守るように陣形を再編する。
一時の静寂の後に、対空砲火が周囲を照らす。


 艦隊の直衛には、冴月の操縦する流星号がついていた。
同乗する猫士の報告。
『上から敵機動兵器2ニャウよ』
「ああーっ? 宇宙空間で上ってなどーゆうことだよっ」
冴月が喚く。トリガーは引きっぱなし。火球の筋がスクリーンを横断する。
『お箸が右でお茶碗が左にゃんだから、耳の立つ方が上に決まってるニャウね』
「おれわっ、左利きだーっ!!」
流星号の機体が直立、そしてやや左回転。
その前面と後背すれすれを、二機の機動兵器が影となって駆け抜けていく。その刹那に交錯した互いのソードが、流星号の肩飾りと、機動兵器の一機を二つに切り裂く。
 爆発。
その爆発の中で回頭する機動兵器に、冴月機はガトリング・ガンを浴びせる。弾幕は2秒で標的を捉え、火球へと変えた。



 真神機は、二隻目の中型艦を撃沈させた。
陣形が乱れる根元種族艦隊。損失艦で空いた陣形の穴を埋める。その好意が、進軍速度を大幅に低下させている。
「ここまでやれば、とりあえず追いつけないでしょう」
一応速度計算をしながら、GENZがひと息つく。黒猫は寝ている。
「艦隊が心配です。一回戻りましょう」
「了解」
近接してきた機動兵器を排除しつつ、真神は星詠号を敵集団から離脱させる。機動兵器も深追いはしてこない。

 ちりん。

真神は反射的に動いた。
星詠号の機体が急加速し、その直後をなにかが掠めていく。
「いたっ!…な、なに?」
GENZがコンソールに頭をぶつける。更にその身体が左右に振られ、そのまま座席の下へ転げ落ちる。
「ちっ!」
蛇行する機体の左右を光線が駆け抜けていく。射撃されていた。反撃すべくビームガンを構えた左手を、黒い手が掴む。
『きたの』
黒猫はあくびした。鈴の音は、黒猫の首輪のものだった。


 星詠号の眼前には、黒い人型機動兵器があった。
一回り大きいそれは星詠号の左腕をねじり上げながら、単眼のモニタアイを光らせる。
「ブラックシャドウか…っ」
真神はスクリーンに大写しになった、宿敵の機体を睨み付けた。


[ 次週へ続く ]


・次週予告
真神とブラックシャドウの戦いは激しさを増す。跳躍弾を駆使した高機動戦闘は、弾数制限のある真神の不利を強いる。その時現れた赤い機体は、敵か味方か?
第48話「赤い閃光」をお楽しみに。

著:沙崎絢市

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